送金アプリpringをみなさんご存知ですか?
僕はかなりのpringヘビーユーザーです。
実際に数年後にはpringが、世の中にLINEのように浸透していればいいのになーと思っていたりします。
そんなpringについての一般的な記事は良くありますが、
実際に企業としてのポテンシャルはどのくらいあるんだ??というのを僕目線で分解してみます。
pringは企業としてどこで儲けるんだ!?将来性はどうなのか?
というところも【マネタイズポイント】として公式の記事をもとに探っていきます。
pringが世の中に広まっていったとしても全く儲からないビジネスでは意味ないですからね…
株式会社pringの説明を少しだけ。
メタップス、みずほ、WiLが肝煎りで始めたプロジェクト!(のちにみずほはJ-coinpayに舵を切るということになった)
そんなpringの未来に期待してたくさんの同士が集い今では主導株主↓
株式会社メタップス、株式会社WiL、日本瓦斯株式会社、伊藤忠商事株式会社、株式会社ファミマデジタルワン(ファミリーマートグループ)、SBIインベストメント株式会社、株式会社みずほ銀行、SMBCベンチャーキャピタル株式会社ほか
株式会社pringは、株式会社メタップスという企業の持分法適用会社です。メタップスが軸となってのプロジェクトです。
pringの事業でのマネタイズポイントは5つ
pringの企業として一般に告知している事業はこの4つです。
それに【ASP事業】を加えたものがpringの全体像と思って良いでしょう。
この辺りを順番にリサーチしていこうと思います。
記事の目次
- お金コミュニケーションアプリ「pring(プリン)」
- 法人から個人への送金サービス「業務用プリン」
- 店舗でのpring(プリン)決済!手数料0.95%
- 秘密兵器!?pring(プリン)のオンライン決済
- ASP事業「OEMでpring(プリン)」を提供
記事の執筆者
お金SNSアプリpringの大ファン。実際にpring内でチームも2つ運営中!1投稿に対して100円程度なら比較的投げ銭されることを実感しています。時代が投げ銭を後押ししているのでpringに期待!
動画でも大まかにまとめてあります。視聴すると記事の理解が深まるのでオススメです↓
お金コミュニケーションアプリ「pring(プリン)」
これはメインは個人間の送金です。
一般の人がお世話になるpringの機能は今のところコレでしょう。
アプリ画面がとてもシンプルです。
お年寄りにも使ってもらえるように設計されているらしいです。
自分以外の人との送金やりとり
- 実家を離れて一人暮らしの子供に親が仕送りをする
- 親に生活費を払う
- 飲み会やサークルなどのグループ内でのお金の受け渡し
- グループ内でのお金のやりとり
などの場合に便利です。
これらの送金手数料は全て無料です。
お金をやりとりするときに、メッセージと一緒にお金を送金できるのも特徴ですね。
送金がメインのメッセージアプリといった感じですね。
なし
個人間送金でのベンチマークはVenmoとWeChat Payを当初は意識して、今はトランスファーワイズとのことです。
トランスファーワイズはロンドンが拠点の企業で、世界進出もしていて、800万以上のユーザーがいるP2P送金サービスを提供しています。
日本でも資金移動業者として、免許登録済、2016年から事業をスタートさせています。こちらもpring同様にWiLが出資しています。
自分の複数持っている口座間での送金
- 自分の口座間の資金移動にも使えます。
銀行口座を複数持っていて、生活で複数の口座を利用している場合に便利です。
例えば、都市銀行口座・地方銀行口座・ネット銀行口座(楽天、SBIなど路面店を持たない銀行)を用途に応じて利用しているパターンです。
毎月、カード支払いや、家賃の支払いなどが発生して、給与支給後に口座に資金移動をしなくてはならない人も多いと思います。
こういう人には最適です。スマホ一つで自宅にいながらお金を移動できちゃいます。
これも送金手数料は全て無料でしたが、回数制限ができてしまったので詳しくはオフィシャルサイトで確認してください。
- 複数回の口座間で資金移動をした場合の手数料
アプリからリアルにお金を引き出す
- セブンイレブンのATMでアプリからお金を引き出す
全国のセブンイレブンATM 約25000台から、いつでもお金を引き出すことができます。急に現金が必要になった時には便利です。
これも無料でしたが、現在は月1回は無料ですが、2回目以降は220円の手数料がかかります。
引き出す時はまとめてある程度の額を引き出しておくのが良いでしょう。
pringは給与払いの市場を狙っています。電子マネーでの給与払いが法案で通れば、会社からpringアプリへ給与が入金されるということが可能になります。
なので、構想としては「その月に必要な現金を、メイン口座からセブンイレブンATMでまとめて引き出してねっ」というのがあるんだと思います。
- セブンイレブンATMから2回目以降出金する手数料220円
資金移動にかかる手数料(個人が負担する分)は以下です。※公式サイトより(2020.10現在)
pringチームというお金SNS機能
pringアプリ内にある機能で自分のチームを作ることができます。
チームって何?って感じですが、
「エールを円に。1円から気軽に送れるお金SNS」というのがコンセプト。
自分がチームリーダーとなって、ミニブログ的なことを投稿します。
それに共感してくれた人がチームに所属していくという感じです。
ちなみにこれが僕のチームのトップ画面です。
いまだと32人のメンバーがいますね。
投稿した記事に対して、「いいね!」じゃなく実際のお金を「投げ銭」してもらえるわけです。
投げ銭をする方も、1円からできるのでハードルは低いです。
僕のチームだと今までで3,688円の投げ銭がされていることがわかります。
今、少し盛り上がりを見せてきています。
Jリーグやフットボールのチーム、ももいろクローバーZなどが所属するスターダストプロモーションのチームなど有名なものあります。
例えばJリーグでは別の視聴アプリで試合観戦をしながら、サブ音声としてスタッフが解説をしたりと各チーム考えて、ファンとのコミュニケーションの場として使われています。
Jリーグの場合だと、1試合に1万〜5万円くらいが投げ銭(ギフティング)されているイメージです。
動画とうまく繋げてライブ配信をするパターンもあります。YouTubeスパチャよりも簡単に始められるので、オススメです。
この投げ銭(ギフティング)された内の9.5%が手数料としてpring側に入ります!
ただ…
現状では、プロのスポーツチームなど以外は閑古鳥状態…
このpringチームの難点は何と言ってもpring自体のユーザー数が増えないと話にならない点に尽きます。
Jリーグのチームでも200〜600人程度の参加です。
pring自体にユーザーが増えない原因としては
これに尽きます。pringを知っている人が少なすぎます。多方面から攻めているのはわかりますが、本当に認知度が低いです。こんな便利なのになんで・・・??
メルカリがヤフオクを一気に突き放したのは、その手軽さ!!アプリ入れて写真撮って載せるだけ!世の中はいかに手間を省けるか!簡単に出来るか!の流れに進んでいます。 pringはある意味で真逆。アプリ導入までがめちゃくちゃハードル高い!ここのハードルこそが難点なわけで、ここを乗り越えさせるPR方法を考えなければユーザーは増えないでしょう… C向けのコンシューマ的なアプリで大ヒットを狙うのであれば、C向けにヒットしたアプリ戦略も参考にするべきだと思います。 動画の投げ銭系アプリも沢山あるし、投げ銭文化が少しでも根付いてくれば、何とかなるのかどうか!?
- pringチームへ投げ銭(ギフティング)された9.5%の手数料
法人から個人への送金サービス「業務用プリン」
企業が従業員などに支払う、BtoCの送金です。
今だと経費精算や給与以外の賃金の支払いに使われたりしています。
後々は給与払いを狙っているところでもあり、pringの命運を左右するのが「業務用プリン」です。
これはメタップスらしいですね
toBの事業展開はメタップスの得意とするところだと個人的には思ってます!
マーケティングにしても裏方で企業をサポートする事業ですし、業務用プリンをオススメできる顧客も豊富にいるでしょう
2019年末での時点で契約社数が120社とのことでしたのでこの勢いでガンガン攻めて欲しいですね!
業務用pringの情報は、未知の部分が多いので正直ガンバッテ!というしかないです。
2018年末の会長、社長インタビューで↓
「C向けのコンシューマーで圧倒的にヒットさせなければ、企業を大きくできない!」
「いずれはLINEやメルカリと競うことになる」
的なことを言っていたことを考えて、
基本はC向けに爆発的ヒットを狙うが、Bもマネタイズとして裏方で頑張るということだと思っていました。
が、最近のpring社長のインタビューでは、業務用プリンにまずは力を入れて行く!ということでした。。。
実際に現在手を組んでいる企業を紹介しておきましょう。素晴らしい企業ばかりです。
チェックポイント!
- マネーフォワードクラウド
会計といえばマネーフォワードというくらい有名です!マネーフォワードの決算資料にも立替経費のキャッシュレス送金にpringが掲載されています。
やはり送金にはpring!これは業界内のスタンダードになりつつあるのかもしれないですね。
- 楽楽精算(ラクス)
6000社100万人以上が利用ユーザーのいるクラウド系の会社です。国内導入No1らしいのでこの調子で業界をリードしていくでしょう!
- ジョブカン経費精算
経費精算で、なんと導入実績10000社!クラウド勤怠管理は業界No1らしいです!
こんな素晴らしいポテンシャル満載の企業と組んでいる業務用pring!
すでに万単位の顧客を持つこのパートナーたちの力がpringを広める上で絶対に必要です。頑張って欲しいです。
- 法人から個人へ一括送金
- アプリ内の広告販売
店舗でのpring(プリン)決済!手数料0.95%
pringはお店でQRコードで支払いことができます。
ただ現状では、ファミリーマートとローソンでのコンビニ使用がメインで、他の店舗は開拓できていません。
稀に使えるお店もある程度と思ってください。
このお店側が支払う決済手数料が0.95%!安いっ!
圧倒的な日本最安値です。(2020,8)
クレカでは3%以下とか聞いたことないのでかなり安いはずです。
・・・と思っていましたが、これもQR決済の事業者各社がどんどん手数料を下げていますので、全く安泰ではないです。
店舗QR決済ではpaypayが、覇権を獲ってしまった感があるのでpringは正直キツそうですね。
一応のつけ入るタイミングとしては、
PayPayやLINE Payが2021年秋頃まではキャンペーンで無料ですが、その後は手数料を上げてくるでしょう。
そのタイミングしかないですね。。。
ちなみに肌感としてpringが現在どのくらい店舗決済で使われているかというと…
ファミマやローソンでちょくちょく使用してますが、全然使われてる気配がない。
夕方とかに使ったりしてみますが100人程度の時が多いです。
全国で100人って… 道のりは長そうです…
- 店舗側が払う決済手数料0.95%
秘密兵器!?pringのオンライン決済
オンライン決済も開始しているらしいのでこちらにはかなりの期待をしています!
誰でも、どこでも、安心して、簡単に利用できるAPI決済ということです。
特徴としては
- 24時間365日オンラインで決済利用可能(18歳未満のクレカを持てない人も利用可能)
- 初回に加盟店サイトとプリンを連携することで、2回目以降は決済時にカード番号の入力などは不要
- 厳格な本人確認による安心・安全な決済
- 決済手数料が大幅に安い
- システム開発はAPIを組み込みだけ
このpringオンライン決済は個人的にはかなり期待しています!
理由は、pring事業スタートの少し過去にさかのぼります。
pring事業と入れ替わるようにして、終わったメタップスのSPIKE事業。
実は、SPIKE時代にオンライン決済導入していたECサイトが25万、年間取扱高1000億円もあったという実績があります。
サービススタートから僅か2年足らずでこの域まで持っていったのは現pring社長です。
EC決済で飛ぶ鳥を落とす勢いがあったわけです!
フリーミニアムモデルで一気に時代の先端へと躍り出ましたが、撤退しています。ただ、これはpringを見据えての撤退…ではと思っています(撤退したその年にpring企画がスタート)
そもそもSPIKEとpringどちらにも言えることは決済手数料だけで儲けようという気はなく、メタップスの初期からの事業であるマーケティングを絡ませることで利益を得るというのがメタップスならではのモデルです。
店舗決済でも3%から0.95%になった2%をマーケティングに使ってもらうというような事ですね。
GAFAなどをみてもわかるように金融と広告の相性は抜群です!この両方を持っている企業は希少であり新時代においてかなりのポテンシャルを秘めていると個人的には思います。
そんなSPIKEとpringについて社長はこんなことを言っています↓
「~SPIKEで「金融フリーミアムモデル」の原型ができました。さらにそれを仕組み化して、プラットフォーム化したものが、プリンです。」
一度急拡大させたことがあるオンライン決済です!ある時期から一気に市場を狙いに行くんじゃないかと思っています。
- オンライン決済手数料
ASP事業「OEMでpring(プリン)」を提供
これは、pringアプリの中身はそのままで、外見を各企業が提供しているようにカスタマイズできるという「きせかえpring」というサービスです。
この構想は、ある程度初期段階からあったのでは!?と個人的には思っています。
2018年のインタビューで当時の会長がこのように話しています。
これを実際にカタチにしたものが「着せかえpring」なんでしょう。
ヤクルトで「ヤクルトPay by pring」として採用していますね。
他にもどこか採用していたと思いますが、、、構想通りに実現しています。
きせかえpringとは?
この事業も非常に魅力的ですね。
企業や個人がWEBを持つ時代が時間をかけて訪れました。
決済アプリを企業が持つスタンダードが訪れるとすればポテンシャルはかなり高いのでは?と思います。
- アプリをOEMとしての提供や、XXペイ、きせかえpringとして提供。1件あたり数百万〜数億円
まとめ
如何でしたか?
pringファンとして、また投資家目線として、pring事業を分析してみました。
決済アプリとして見られがちなpringですが、実際はかなり幅広く事業展開しています。
今はtoBの事業へ投資しているようです。
ただ、市場を獲るのであれば、toC市場で話題にならなければ爆発的な規模にはならないでしょう。
pringユーザーとして長い目で応援しようと思います。